2008年10月20日(月)「しんぶん赤旗」
老若熱論
これつて“カニコー”
反貧困
分科会・もつ煮・パレード…元気
貧困を生む社会を変えるため立ち上がろうと十九日、二千人が集った東京・明治公園の「反貧困世直しイッキ!」。会場では、無料のカレーうどん、もつ煮、焼き鳥、フェアトレード(生産者に適正な価格での貿易)のコーヒーなどが参加者に振る舞われました。
企業組合あうんのもつ煮コーナーで、客を呼び込んでいた大学生(20)は、「前日から仕込みをやって煮込みました。これを食べて元気になってほしい」と話していました。
分科会は、住まい、労働、社会保障、高齢者、女性、子どもなど十二のテーマで開かれ、二時間にわたって熱心な討論が行われました。
住まいの分科会では、解雇と同時に寮を追い出される派遣雇用や、貧弱な公営住宅政策、悪質な不動産管理会社の問題などを議論しました。
家賃の支払いが数日遅れただけで鍵を交換し、高額の違約金を請求した不動産会社「スマイルサービス」を提訴した男性(29)が「無断で部屋に不動産会社の社員に入ってこられ、住んだ心地がしなかった」と話しました。
「使い捨てか、過労死か? これって“カニコー”(蟹工船) じゃん!?」と題した労働分科会には、大きな人だかりができました。
作家の雨宮処凛さんが司会をつとめ、過労死した労働者の遺族、名ばかり管理職の若者、派遣、偽装請負などで労働組合に加入した人たちが交流。松下プラズマの偽装請負を告発した吉岡力さんは、「このたたかいは自分だけの問題ではない。人をモノのようにあつかう派遣労働を撲滅できると信じている」と語り、大きな拍手がおきました。
生活と健康を守る会の男性(79)=新宿区=は、社会保障分科会で、生活保護の老齢加算の切り捨てとたたかっている生存権裁判について報告しました。「つながっていこうという集会の趣旨は、その通り。若い人には未来がある。頑張ってほしい。次の選挙で審判を下して、社会保障費の増額を勝ち取りたい」と訴えました。
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