2008年10月20日(月)「しんぶん赤旗」
英首相、市場原理主義を批判
金融機関は公的役割を
【ロンドン=岡崎衆史】ブラウン英首相は英紙デーリー・テレグラフ十八日付の寄稿で、米国発の金融危機が「市場の弱点」を明らかにしたとして市場原理主義を批判しました。同首相は、金融市場の改革のため、金融機関の公平性や公的役割の確保、国際的な監視体制づくりが必要だとの考えを示しました。
ブラウン首相は、市場や企業活動への支持を表明する一方で、「市場だけに頼るわけにはいかない」「グローバル化時代の最初の金融危機が、規制のない自由市場の弱点をむき出しにした」として、新自由主義を批判。金融機関の「信用」がむしばまれ、人々の生活が危機にさらされ、政府と市場の関係のあり方に疑問が出されていると警告しました。
同首相は金融改革の方向として、(1)勤勉、節約、努力、責任あるリスク負担を奨励し、無責任で過剰なリスク負担を拒否する公平な仕組みづくり(2)銀行などの金融機関が中小企業支援や、人々の預金の管理者としての公的な役割を果たすこと(3)国際的な金融監督機関づくり―が必要だと強調しました。
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