2008年10月17日(金)「しんぶん赤旗」

沖縄のジュゴン 保護勧告

国際自然保護連合 米軍基地問題に言及


 国際自然保護連合(IUCN)は、スペイン・バルセロナで開催した総会で、沖縄の米軍普天間基地移転予定地の名護市辺野古沖に生息している天然記念物で絶滅危惧(きぐ)種のジュゴン保護推進の勧告を賛成多数で採択しました。

 環境省が十六日までに、日本にかかわる案件として同勧告の採択を公表し、同勧告案の採択で、国家会員の日本政府と政府機関会員の環境省がともに棄権したことを明らかにしました。ジュゴンにかかわるIUCNの勧告は今回で三度目。

 今回の勧告は、ジュゴン生息域国が移動性野生動物種の保全に関する条約(ボン条約)の覚書に加わることを求め、とくに沖縄の米海兵隊施設建設(普天間基地移転)問題に言及し、日米両政府にたいしてジュゴン保護のための具体的行動を求めています。

 日本政府にたいして、「米海兵隊施設建設にたいするすべての選択枝を含む環境影響評価」を研究者、自然保護団体と協議しながらおこなうことを推奨。そのうえで、同施設に起因するジュゴンへの悪影響を回避または最小化するための行動計画の策定・公表を要請しています。

 米政府にたいしても、日本政府とともに環境影響評価をおこない、行動計画を策定することを求めています。

 同勧告は、日本国内の六つの自然保護団体が共同して提出したもの。生物多様性基本法案が審議されたことし五月二十七日の参院環境委員会では、日本共産党の市田忠義書記局長が、米軍新基地建設の中止と、以前の国際自然保護連合の勧告に基づく保護区設定を政府に求めていました。



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