2008年10月17日(金)「しんぶん赤旗」
新型原潜が初寄港
先制攻撃拠点化強める
横須賀
巡航ミサイルと特殊作戦部隊を同時に搭載・収容できる米海軍の新型原子力潜水艦オハイオ(水中排水量一八、七五〇トン、全長約百七十メートル)が十六日、横須賀基地(神奈川県)に寄港しました。日本国内での寄港は、初めて。目的は「休養・補給・維持」としています。
米海軍の資料によると、オハイオは、「誘導ミサイル潜水艦」(SSGN)と呼ばれ、母港は米西岸ワシントン州のバンゴール海軍基地。イラクへの先制攻撃などで使用された巡航ミサイル・トマホーク百五十発以上を搭載可能です。
特殊作戦部隊の母艦としての役割も果たし、六十人以上の特殊作戦要員とその装備を収容でき、さらに同要員を陸地に潜入させるための小型潜水艇も装備できます。
これまで横須賀など日本にたびたび寄港してきた米海軍のロサンゼルス級攻撃原潜(水中排水量六、九〇〇トン、全長約百十メートル)に比べて大型で、攻撃能力にも優れ、「地球規模での対テロ戦争」の支援が任務とされています。
横須賀基地には、九月に米海軍の原子力空母ジョージ・ワシントンが初めて配備されたばかりです。今回のオハイオ寄港は、同基地を米軍の先制攻撃戦略の拠点としていっそう強化しようとする動きです。
原潜オハイオ オハイオはもともと、旧ソ連の核戦力に対抗するためとして、長距離核ミサイル・トライデントを搭載するオハイオ級戦略原潜の一番艦として一九八一年に就役しました。ソ連崩壊後の米軍の「核態勢見直し」で戦略原潜の削減方針が示されたことなどを受け、トマホークによる地上攻撃と特殊作戦部隊のための原潜として改修することが決定。二〇〇五年に改修が完了し、〇七年に実戦配備されました。
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