2008年10月15日(水)「しんぶん赤旗」
原爆症 千葉でも勝訴
肝硬変・脳梗塞の2人認定
地裁判決
原爆症認定申請を却下された千葉県の被爆者が、却下処分の取り消しを求めた原爆症認定集団訴訟(第一次四人)の判決が十四日、千葉地裁でありました。堀内明裁判長は、四人全員の病気を原爆症と判断し、却下処分は違法だったと断定。新基準でも未認定の二人について却下処分を取り消すよう命じました。全国の同訴訟で国は十二連敗となりました。
新たに原爆症と認められたのは、肝硬変を発症した高田末子さん(69)と、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞を発症した田爪(たづめ)スミエさん(70)。肝硬変や脳梗塞は、新基準で積極的認定の範囲にふくまれず、今回の判決は新基準の不十分さを改めて浮き彫りにしました。
判決は却下処分をした旧基準について「一定の限界があり、これらを機械的に適用して(病気の)放射線起因性を判断するのは相当ではない」と批判。被爆状況や病気の経過を総合的、全体的に考慮すべきだとしました。
国が新基準で認定した朝比奈隆さん(76)と男性(73)の二人については訴えの利益が消滅したとして請求を却下。国家賠償請求はいずれも棄却しました。
記者会見で高田さんは「何にも代えられない(判決)。頑張ってきたことが勝利に結びついた」と笑顔で語りました。