2008年10月12日(日)「しんぶん赤旗」
自民 資金は政党助成金
身内企業に35億円発注
国民の税金が還流
自民党の経理局長(国会議員)や幹部職員が役員を務める二つの株式会社が、二〇〇七年の一年間に自民党から政党助成金で約三十五億二千万円もの仕事を受注していたことが、本紙の調べでわかりました。同党が〇七年に受け取った政党助成金の二割超に相当します。国民の税金が自民党の「身内会社」に“還流”していたことになります。
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二つの身内会社は、ともに自民党本部の近くにある広告代理店「自由企画社」(東京・平河町、資本金二千万円)と、世論調査会社「日本情報調査」(東京・永田町、同一千万円)。
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自由企画社は、一九七三年十月、「自民党直属の広告代理店」として発足した会社で、自民党事務総長の元宿仁氏が取締役を務めています。
自民党が総務相に提出した〇七年の「政党交付金等使途報告書」によると、同社あてに「筆耕翻訳料」「印刷製本費」「宣伝広報費」「研修会費」などの名目で、三十億四千四百八十三万九千三百三十三円の支出がありました。
一方、日本情報調査は、〇三年三月に「政治、経済、文化、生活、その他各種情報の収集、処理および販売」を目的に設立された会社。山本有二元金融・再チャレンジ担当相、細田博之幹事長など自民党の歴代経理局長が代表取締役を務めています。
〇七年九月、細田氏に代わって元厚生労働副大臣の宮路和明経理局長が代表取締役に就任、元宿氏はじめ、自民党本部の事務局次長、経理局事務部長らが取締役に名前を連ねています。
同社にも、「調査費」の名目で、四億七千六百五十三万二千円の支出がありました。
二社あわせると、三十五億二千万円。これは、〇七年に自民党が受け取った政党助成金約百六十五億九千六百万円のじつに21・2%です。