2008年10月12日(日)「しんぶん赤旗」

景気悪化にさいして

政治がとるべき二つの姿勢

志位委員長訴え


 日本共産党の志位和夫委員長が十一日の神戸、大阪両市内で行った街頭演説で、金融危機と景気問題での訴えは次の通りです。


 みなさん。暮らしの問題でいま、アメリカ発の金融危機が世界を覆っています。そのもとで、日本の景気もいよいよ悪くなってきたという深刻な事態に陥りました。

 アメリカの金融危機というのは、私たちは「カジノ資本主義」と呼んでいますが、経済を投機化してイカサマとペテンにしてしまったやり方の破たんです。その破たんの波が日本経済にも及んできた。このときに、政治がどういう責任を果たすべきでしょうか。私は二つの姿勢が大事だということを訴えたいのです。

悪化の犠牲を国民に転嫁するな    

 第一に、景気悪化の犠牲を国民に転嫁するな、このことを強く訴えたいと思うのであります。(拍手、「そうだ」の声)

 いま景気が悪くなってきた。このなかで、雇用切り捨ての動きがおこっています。たとえば、トヨタ九州では、北米向けの車が売れなくなったからというので、八百人の派遣労働者を雇い止めにしています。あるいは、トヨタ全体では半年間で二千人、全体の二割の期間社員を雇い止めにしています。こういう雇用破壊が始まっています。

 しかし、みなさん。トヨタは減益といっても、なお年間一兆円以上の利益を見込んでいる大黒字の会社ではありませんか。その会社が景気が悪くなったからといって、首切りのし放題というのは、絶対許してはならないと私は訴えたいと思うのであります。(「そうだ」の声、拍手)

 それから、中小企業のみなさんにとって、いま下請け単価の買いたたきがひどくなっていますでしょう。多くの大銀行が、貸し渋り・貸しはがしを始めていますでしょう。これも許されるものではありません。大きな銀行十三行の申告所得は、年間三兆円ちかいばく大なものです。そういう銀行が中小企業を不景気だという口実のもとに痛めつけるなんてことは許せるものではない。私は、景気悪化の犠牲を国民に押し付けることを許さない、その仕事をしっかりやるのが、政治の責任だということをまず訴えたいと思うのであります。(拍手)

大企業応援でなく、国民の暮らし最優先で応援せよ

 第二に、これまでの大企業応援から、国民の暮らしを最優先で応援する政治に、こういう時こそきりかえるべきであります。人間らしい雇用のルールをしっかりつくる。安定した雇用を保障する。中小企業や農業の応援をする。社会保障の拡充をはかる。庶民のみなさんへの消費税増税はやめて、減税をすすめる。こうやって国民のみなさんの暮らしを応援し、家計を応援し、内需を活発にしていくような政治に転換し、日本の経済を土台からしっかりさせていくのが政治の役割ではないでしょうか。

 みなさん、いまの経済危機に際して、日本共産党は、この二つの姿勢が大事だと考えます。そして、外需・輸出頼みから、内需主導の経済にかえていく、大企業から家計に経済政策の軸足を移す――このことを日本共産党は主張してがんばっていきたいということをまずお約束したいと思います。(拍手)



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