2008年10月10日(金)「しんぶん赤旗」
英気候変動委
温室効果ガス削減目標
2050年まで80%勧告
【ロンドン=岡崎衆史】英国の独立行政機関の気候変動委員会(ターナー委員長)は七日、英国の温室効果ガス削減目標を引き上げ、二〇五〇年までに一九九〇年比で80%を削減するよう勧告しました。勧告は書簡としてミリバンド・エネルギー・気候変動相に送付されました。
英国は現在、二〇五〇年までに一九九〇年比で二酸化炭素を60%削減する目標を掲げています。これに対して気候変動委員会は、「気候変動の危険性は以前の予想よりも大きい」として、目標の上方修正を要求。また、削減対象からこれまで除外してきた航空や海運分野も含むよう求めました。
委員会はまた、目標達成の費用について五〇年の国内総生産(GDP)の1―2%とし、目標は「達成可能だ」と強調しました。
ターナー委員長は、「気候変動は人類繁栄にとって、大きな潜在的脅威だ」「すぐに行動しなければ、深刻で潜在的に壊滅的な帰結を避けられなくなる」と警告。一方で、省エネや代替エネルギーへの投資、生活スタイルの変更によって、「80%以上の排出削減の可能性はある」と強調しました。気候変動委員会は、近く成立予定の気候変動法に先駆けて設けられた独立機関で、同法に定められた目標を達成するために政府に助言をするのが役割です。
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