2008年10月10日(金)「しんぶん赤旗」
“マルクス復興”に注目
ドイツ有力週刊誌が連載
“彼の本が飛ぶように売れている”
“過去の人から同時代の人に”
若い人が探究
ドイツの週刊誌『シュテルン』(電子版)が、八月末から、「左翼の新しい生命感」という連載を掲載し、マルクスにたいする関心が若い人々の間で高まっていることに注目しています。マルクスの理論は「ルネサンス(復興)を迎えている」と書いています。同誌は、『シュピーゲル』とならぶドイツの有力誌です。
「マルクス、ポップコーン、少ないストレス」と題された連載第二回は、「カール・マルクスが戻ってきた。彼の本がとぶように売れている。ハンブルクでは学生たちがマルクスを上演することまでした。しかしこれは、共産主義がふたたび粋なものになったことを意味するのだろうか」と指摘。
記事は、『資本論』の三巻本の売れ行きが昨年同時期の三倍になっていることや、ケルン出身のポップス歌手の歌う「資本主義の終りの歌」という歌がはやっていることなども紹介しています。
連載第三回の見出しは、「マルクス主義者ではなかったマルクス」。記事は「いまやマルクスの諸理論がルネサンスを迎えている。とくに学術面で若い研究者のなかに、このトリーア出身のひげの男を探究する人がますます増えている」と指摘。約七十人の研究者がマルクス・エンゲルス全集編集・発行に参画し、「彼らは『確実なマルクス』を探究している」と紹介しています。
マルクスは「金融市場の発展、自由貿易の最初の歩み、十九世紀中ごろにおこった最初の本格的な世界経済恐慌」を自ら体験し、その「すべてを精密に記述し分析した」とし、これらが、「マルクスを過去の人から、今も読むに値する同時代人にしている」とのべています。(小島良一)