2008年10月8日(水)「しんぶん赤旗」
反政府武装勢力との紛争
「軍事的勝利ありえず」
国連アフガン特別代表が語る
【ニューデリー=豊田栄光】国連事務総長アフガニスタン特別代表のカイ・エイデ氏は六日、アフガンの首都カブールで記者会見し、同国内のタリバンなど反政府武装勢力との紛争について、軍事対応では勝利できないとの考えを表明しました。
同代表は「軍事的勝利はありえず、政治的手段で勝たなくてはならない」と強調。「結果がほしいのなら話し合いが必要だ」「もっと政治的なエネルギーを注ぐことだ」と語り、対話による紛争解決を訴えました。
駐留アフガン英軍カールトンスミス司令官も「われわれはこのたたかいには勝てない」と、英紙サンデー・タイムズ(五日付電子版)で語っています。
こうした発言に対して、ゲーツ米国防長官は六日、「敗北者」とこき下ろし、ホイットマン国防総省報道官も「(タリバンとの交渉は)米国の戦略にはない」と述べました。
現在、アフガン駐留外国軍は六万人以上に上り、タリバン側も外国軍の全面撤退がない限り交渉に応じないと主張しています。