2008年10月7日(火)「しんぶん赤旗」

社協、リーマン社債購入 損失の恐れ

福祉後退させるな

埼玉・東松山 塩川議員調査


 日本共産党の塩川てつや衆院議員は六日、埼玉県東松山市の市社会福祉協議会を訪れ、基金運用のため購入していた米証券大手リーマン・ブラザーズの社債が経営破たんにより焦げ付き、損失を与える可能性について調査しました。小野美佐子市議が同行しました。

 東松山市社協は介護施設や障害者施設などを運営しています。二〇〇七年十一月、特別基金の運用のため一億円分のリーマン・ブラザーズ社債を購入しましたが、九月の同社破たんで投資額全額が返ってこなくなる可能性が高くなっています。

 東松山市社協の吉田隆夫事務局長、東松山市の林正治健康福祉部長らは、ペイオフ対策で預金利子がつきにくくなったため、〇六年に運用規定を改定して預金以外の基金運用を可能にしたと説明。しかし社債購入に踏み切ったのは〇七年に厚労省が運用先を幅広くすることを認める通達を出した後で、担当者も「通達がきっかけになったかといわれればそうだ」とのべました。

 塩川氏は「福祉のための組織が投機に手を出すのはおかしいという市民の声は受け止めるべきだ。背景には貯蓄から投資へと誘導する国の動きがあります」と、国政上の問題点を指摘しました。

 社協理事会が、焦げ付いた基金の穴埋めのため人件費などを削減するとしていることについて、塩川氏は「基金の穴埋めのために福祉サービスが影響を受けるようでは本末転倒だ」とのべ、サービス後退や職員へのしわ寄せをしないよう求めました。社協も「その通りだ」と応じました。


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