2008年10月6日(月)「しんぶん赤旗」
米空母「大火災」だった
G・ワシントン報告書解禁 火元に吸い殻12本
今年五月二十二日、南米沖を航行中の米原子力空母ジョージ・ワシントン艦内で発生した火災に関する米海軍の事故報告書が五日までに解禁されました。 火災の調査を担当した米太平洋艦隊のフランク・ドレナン少将が作成した七月一日付、十五日付、二十二日付、二十九日付の四文書・五十四ページです。
個人名は黒塗りにされ、添付書類は非開示となっています。
このなかで、火災の原因となった喫煙に関して、火元となった「無人補助ボイラー排気・供給区画」の空調を行う空調・冷却機室内で十二本の吸い殻が発見されたことが明らかになりました。
また、消火活動が始まったのは午前八時二十分ごろ(現地時間)ですが、午前六時には乗組員が煙のにおいを感知。上司に報告したものの、異常なしと判断されました。
報告書は、「部隊レベルでの訓練に重大な問題があった」と指摘しています。「動く原発」原子力空母の管理体制のずさんさが浮き彫りになりました。
火災は喫水下の第六甲板で発生し、上部の第二甲板まで燃え広がりました。報告書は、G・ワシントンの火災を「大火災」と断定。当初の「ぼや」とする見方を明確に否定しました。
G・ワシントンの火災は艦内八十区画におよび、修理のため、米海軍横須賀基地(神奈川県)への配備が一カ月以上遅れました。
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