2008年10月3日(金)「しんぶん赤旗」
芹谷ダム建設中止へ
滋賀
滋賀県は二日までに、県営芹谷ダム(多賀町)計画について、今後二十年間の「湖東圏域河川整備計画」に位置づけず、堤防補強と地域防災力の向上を目指すと、ダム建設中止の方針を固めました。五日に彦根市内で開く芹川川づくり会議に正式に示す予定です。
芹谷ダムは芹川上流に計画されましたが、地盤がぜい弱で、支流の多賀町水谷に「穴あきダム」として計画。山腹に導水トンネルを建設して芹川の洪水を流し込む計画でした。
県民は「無理な構造で効果も疑問。川の堆積(たいせき)土砂の処理が先。自然環境を破壊するダムで、危機的な県財政をより深刻にすべきでない」などと、安曇川の県営北川ダム(高島市)とともに見直し・中止を求め約二万の署名を提出。河川整備計画のないダム建設は違法と、差し止め住民訴訟も進められています。
県は、県内河川の長中期的な整備の優先度を検討し、芹川は優先整備が必要なAランクに位置づけました。しかし堆積土砂の除去で三十年に一度の洪水を防ぐという当面の整備目標は達成でき、きびしい財政事情からも、多額の費用のかかるダムは計画に位置づけないと判断しました。
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