2008年10月3日(金)「しんぶん赤旗」
駐アフガン英大使
“米戦略は失敗”
仏・英紙報道
アフガニスタン駐在の英国大使が九月、同駐在の仏次席大使との懇談で、「米国の(アフガニスタン)戦略は失敗の一途をたどっている」と述べ、増派すれば「われわれが占領軍としていっそうはっきりと認識され、標的にされる人数も増えることになる」と警告していたことが分かりました。
この仏次席大使が懇談の内容を同国のサルコジ大統領らに電報で送り、それを仏紙が入手して暴露。さらに英国の主要紙が一日、その内容をいっせいに報じました。
それによると、クーパーコールズ英大使はフィトゥ仏次席大使に対して、「治安状況は悪くなりつつある。汚職も同様で(アフガン)政府への信頼は失われている」と指摘。「多国籍軍の存在は問題の一部であって、解決策の一部ではない。外国軍がいることで政権の延命が図られている」との見方を示しました。
一方で同大使は「われわれはアフガニスタンで米国を支援する以外にない」とも表明。「われわれが関与を望んでいるのは勝つ戦略であって、負ける戦略ではないということを伝えるべきだ」として、フィトゥ氏に対し、二人の米大統領候補に自分たちの見解を伝えるよう提案したといいます。
報道について、英外務省は「引用されている見解は英国の見解を正確に反映していない」とコメントしています。