2008年10月1日(水)「しんぶん赤旗」
思いやり40億円 中学校
米軍嘉手納基地内
豪華 整備費2倍
沖縄知事「強烈な違和感」
渡久地県議質問
沖縄県の米軍・嘉手納基地内に建設された中学校が、日本の思いやり予算から四十億円を費やし建設されていたことが三十日、県議会の答弁で分かりました。整備に要した金額は生徒一人あたり六百六十六万六千円。一方で、県内の学校では生徒一人あたり三百二十三万三千円です。米軍への“至れり尽くせり”の実態が浮き彫りになりました。
開会中の県議会で日本共産党の渡久地修県議の質問に答えたもの。
同校舎は一万四千平方メートル。四百メートルトラック、バスケットコート四面、テニスコート二面、サッカー場まで備えています。生徒数は約六百人。県内に同等の施設を備えた中学校はありません。答弁にたった仲村守和教育長は、「県民感情からみても、大きな差があるのは好ましくない」と答えました。
渡久地県議は米軍一人あたり五百五十八万円の思いやり予算をつぎ込む一方で、社会保障予算は二千二百億円ずつ削り続け、県民を生活苦に追い込む、「こんな思いやり予算は国に廃止を求めるべきだ。保守、革新を問わない願いだ」と追及。同予算に対する知事の態度をただしました。
仲井真弘多知事は、基地内中学校の施設は「あまりにも立派で、県内の学校にくらべいかがなものか。強烈な違和感を持っている」と答える一方で、思いやり予算については「米軍基地のあり方も含め国政の場で議論してほしい」としました。
渡久地県議は、「米軍は思いやるが、県民の暮らしは思いやらないという答弁だ」と批判しました。
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