2008年10月1日(水)「しんぶん赤旗」
新基地建設費1.5倍に
グアム移転 日本の負担増も
在日米軍再編計画に基づくグアムでの米海兵隊新基地建設費が、日米両政府が合意した百二億ドル(約一兆八百十億円)の約一・五倍になる百五十億ドル(約一兆五千九百億円)に達する見通しであることが明らかになりました。米政府監査院(GAO)が九月十六日に公表した報告書で海兵隊の見積もりとして紹介しました。
新基地建設費のうち日本側の負担は六十一億ドル(約六千四百六十億円)で合意していますが、今後、増額を迫られる可能性もあります。
報告書によると、(1)海兵隊部隊輸送のための高速艇(2)北マリアナ諸島への訓練場建設(3)新基地の維持費―などが費用高騰の要因として挙げられています。維持費について、在日米軍基地の場合は日本政府が「思いやり予算」で負担していることを紹介しています。
また、「日本政府との費用分担の調整で不確定性がある」として(1)日本政府は具体的なインフラ計画が示されるまで財政支出をしない(2)グアムでの基地建設開始は、沖縄の普天間代替基地建設での進展しだい―などの点を挙げています。
三兆円とも言われる米軍再編経費に対する国民の批判や、普天間基地に代わる名護の海兵隊新基地の建設に対する沖縄県民のたたかいが、グアムでの海兵隊基地建設にも影響を及ぼしています。
さらに、報告書では米軍内部の懸念も紹介されています。在日米軍関係者は日本が負担する「思いやり予算」のうち施設建設費が年々減少しており、グアム移転でいっそう減少すると指摘しています。
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