2008年9月30日(火)「しんぶん赤旗」
小田急の認証保育所 職員数水増し
補助金不正受給の疑い
党都議団告発
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東京都が営利企業を参入させて設置を進める認証保育所で、小田急グループの介護・保育専門会社「小田急ライフアソシエ」(本社・川崎市)が職員数を水増しした虚偽の開設申請書を提出し、二〇〇六年度に都と区から計二千七百五十万円の補助金を不正受給していた疑惑が二十九日、日本共産党東京都議団の調査で明らかになりました。
虚偽申請による補助金不正受給があったのは、世田谷区の小田急線成城学園前駅の駅ビル内にある小田急ムック成城園(〇六年十月開設、定員四十三人)。
調査によるとライフアソシエが開設時に都と区に提出した名簿では正規保育従事職員八人のうち、園長代理を含む六人の勤務の実体がなく、フルタイムの有資格者は一人だけ。その後、区に提出した名簿では実体のない職員の数は減りますが〇七年三月まで虚偽申請は続きました。
ムック成城園で保育にあたった女性は「人手が足りず、ゼロ歳児がおもちゃを誤飲してチアノーゼになる事故も起きた」と証言しています。
ムック成城園は〇六年度、都と区から開設準備経費千五百六十万円、半期分の運営費補助千百九十万円を受けました。
党都議団は同日、実態調査と厳正な調査を都に申し入れるとともに、都庁内で会見し、吉田信夫幹事長は「証言とわが党の調査によれば職員配置基準も満たしていなかった。虚偽申請と不正受給は厳しく問われるべきだ」と告発しました。
申し入れに対し都福祉保健局の松井多美雄総務部長は「不適切な事例があれば厳正に対処する。この件は現在、調査している」と答えました。
認証保育所(A型) 営利企業の保育所への参入を促進する、東京都独自の制度。基準面積、有資格者の割合など認可保育所の基準を緩和し、保育料は上限があるものの各施設が自由に設定できます。高い保育料、園庭がない、職員の待遇が悪いなど、保育の質の低下が問題になっています。