2008年9月30日(火)「しんぶん赤旗」
「君が代」個人情報保護裁判
教職員、県を提訴へ
神奈川
神奈川県教育委員会が県個人情報保護審議会・審査会の答申に従わず、入学式、卒業式の「君が代」斉唱時に起立しなかった県立学校教職員の氏名収集を続けていることは県個人情報保護条例違反だとして、同教職員が県を相手に今年の卒業式、入学式で集めた情報の利用不停止決定の取り消し(消去)や損害賠償を求めて提訴することを二十九日、明らかにしました。
原告は、現在までに十九人となり、十一月十七日に横浜地裁に提訴する予定です。
問題をめぐっては、県個人情報保護審査会が昨年十月、県教委が集めた情報は県個人情報保護条例で原則取り扱い禁止とされている思想信条に該当する情報と判断。県教委は情報を破棄する一方で、収集を続けるために同条例のただし書きを根拠に県個人情報保護審議会に諮問しましたが、諮問内容は「不適」とする審議会答申が一月に示されています。
横浜市内で開かれた記者会見には十六人の教職員が出席し、外山喜久男原告団長が「裁判を通じて、氏名収集ができない状況にしていきたい」と表明しました。
原告弁護団の岡田尚団長は、裁判は「自分の思想信条情報を行政権力側が勝手に収集していいのかを問う」もので、「日の丸・君が代にかかわった個人情報をどういうふうに自分で保護するのかというのが裁判の性格だ」とのべました。
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