2008年9月30日(火)「しんぶん赤旗」
脱新自由主義の新憲法
国民投票で圧倒的承認 外国軍基地を禁止
エクアドル
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【キト=島田峰隆】南米エクアドルで二十八日、新自由主義と対米従属からの脱却を掲げる新憲法草案の是非を問う国民投票が行われました。地元メディアの出口調査によると、賛成66―70%で草案は承認されました。反対は25%程度にとどまる見通しです。
新憲法案は、国による市場管理の強化、不安定雇用の原則禁止、無償の教育や医療の実現、外国軍基地の設置禁止など、一九九〇年代からの新自由主義路線と米国言いなり外交を根本的に改める内容です。
国民は、二十年近く続いた大企業や米国を優先する政治から国民本位の政治への転換を選びました。今後、新憲法下で議会選挙を行い、憲法を具体化する法律を制定します。
コレア大統領は二十八日夜、西部グアヤキルで勝利演説し「きょうエクアドルは古い制度を打ち負かし、新しい国へ踏み出した」「中南米の大部分で進んでいるように、より公正で不平等のない社会をつくろう」と強調。反対票を投じた国民に対しても新憲法を通じた変革への理解と団結を訴えました。
反対派は「賛成派の勝利を尊重する」と敗北を認めました。
新憲法の制定は、二〇〇七年一月に就任したコレア大統領の最大公約の一つでした。
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