2008年9月29日(月)「しんぶん赤旗」
国連総会討論
南オセチアなどの独立承認
ロシア外相が正当化
【ニューヨーク=鎌塚由美】国連総会の一般討論演説は二十七日、ロシアのラブロフ外相らが演説。ラブロフ氏は、グルジアの南オセチア、アブハジアへのロシアの独立承認を正当化し、グルジアを支援する米国を批判しました。
ラブロフ外相は、米国を主導とする対テロの取り組みに疑問を投げかけました。二〇〇一年の9・11同時多発テロで世界が一致して対テロへの決意を固めたにもかかわらず、米国が「対テロ」の名でイラク侵略を開始し「対テロ連合」に「痛打」がもたらされたと述べました。
グルジア問題では、米国による「放任」が、グルジアのサーカシビリ大統領による「新たな血なまぐさい戦争」を引き起こさせたと指摘。南オセチアとアブハジアの独立をロシアが承認したことで「問題は解決された」と主張しました。
チュニジアのアブデルワハブ・アブダラ外相は、食糧や原油価格の高騰が途上国の開発目標の取り組みを脅かすなか、その克服のために国際社会が「世界的連帯に崇高な人道的側面」が求められると指摘。すべての人に「食糧の安全保障」をもたらすために、国際金融機関による農業・生産政策の導入を提案しました。
ベトナムのファム・ザー・キエム副首相・外相は、世界情勢について「平和と協力の流れ」が前進する一方、テロや地域紛争、金融危機など「そびえたつ課題」に直面していると述べ、現状はかつてなく各国の「対話と協力の促進」が求められていると指摘しました。