2008年9月29日(月)「しんぶん赤旗」
米大統領選前に
半数が“第三党必要”
二大政党の政権交代に不満
世論調査
【ワシントン=西村央】米の世論調査会社ギャラップの最新の調査によれば、民主、共和の「二大政党が十分に国民の声を代表している」と回答した国民と、「二大政党の仕事ぶりはお粗末で、第三の政党が必要」と見る国民がともに47%となっています。
「第三党必要」の比率は、昨年比では後退していますが、これは十一月四日の大統領選挙を前に大手メディアが二大政党以外の政党の見解や動きをほとんど報じていないことが主な理由とみられます。そうしたなかでも、第三党を求める声が半数に迫っている事実は、米国民の間に、二大政党間だけの政権交代に大きな不満が募っていることを示しています。
調査は民主、共和両党の全国党大会が終了した直後、今月八日から十一日まで、十八歳以上の有権者を対象に実施され、二十六日に発表されました。
無党派層だけでみると、63%が「第三党が必要」と回答。二大政党制支持は30%にとどまっています。民主、共和両党支持層では、逆に二大政党制支持がそれぞれ56%と55%、「第三党必要」は38%と40%でした。
同社が今回のような内容の調査を始めたのはイラク戦争開戦の二〇〇三年の十月。その時は「第三党必要」が40%で、二大政党制支持の56%とは大差がありました。その後、イラク戦争での米兵犠牲者の増加に反比例して両者の差は縮まり、二〇〇六年に逆転して「第三党必要」が48%となりました。昨年はさらに増え、58%でした。
「第三党必要」の比率が昨年比で後退していることについて、ギャラップ社では、民主党支持者の間で53%から38%に激減したのが大きいと指摘。「今回の大統領選への熱中の度合いが高まっている表れ」と分析しています。