2008年9月28日(日)「しんぶん赤旗」

沖縄以外の部隊使用も

グアム 日本融資のインフラ


 グアムでの米軍再編に関する米海軍報告書は、日本側の融資でグアムに整備されるインフラ(電力、上下水道、廃棄物処理施設など)について、沖縄から移転される海兵隊以外の使用を検討していることを明記しています。「沖縄の負担軽減」という口実に真っ向から反し、グアムでの米軍増強に貢献する動きです。

 日米両政府の合意では、日本の民間金融機関による融資・出資で「特定目的会社」(SPE)を設立し、海兵隊の家族住宅やインフラを運営します。このインフラについて報告書は、(1)海兵隊専用(2)陸軍・海軍・空軍を含めグアムの米軍全部隊で使用(3)SPEにグアム州政府も参加しグアム全島で使用―の三つの選択肢を検討していると明記しています。

 インフラ整備のための融資は七億四千万ドル(約七百八十四億円)です。政府は「米側の使用料で回収できる」としていますが、焦げついた場合は国民の税金が充てられることになります。

 また、日本政府の財政支出=いわゆる「真水」(日米合意では二十八億ドル=約二千九百七十億円)については、米国内法に沿って米財務省への振り込みを指示。支払い方法が具体的に記されています。

 もともと米国は、地球規模の米軍再編の一環としてグアムの大幅な増強計画(地図)を進めており、沖縄からの海兵隊「移転」も、「沖縄の負担軽減」ではなく、増強計画の一部にすぎません。

表


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