2008年9月27日(土)「しんぶん赤旗」
沖縄県知事
米軍訓練水域「一部返還求める」
共産党質問に答弁
開会中の沖縄県議会で、仲井真弘多知事は二十六日、本島周辺の米軍訓練区域の一部と久米島の鳥島射爆撃場の返還を日米両政府に求めていくことを表明しました。日本共産党の玉城ノブ子県議(経済労働委員会委員長)の代表質問に答えたものです。
玉城県議は質問のなかで「漁業従事者の生活と県民の暮らし、経済を自立させる立場から、政府に廃止を要求すべきだ」と訓練水域の廃止を知事に求めました。それにたいし仲井真知事は、県漁業協同組合連合会などからも鳥島射爆撃場の返還と訓練区域の一部解除を求める要請があったとして「地元自治体の意向を踏まえ、一部解除と返還について日米両政府に強く求めていきたい」と表明しました。
沖縄県の漁場は、大部分を米軍の訓練水域に占められており、訓練中の米軍との遭遇や接近、水域への米軍機の墜落など、漁業者は常に危険な状況に置かれています。またマグロやソデイカなどの好漁場を米軍にとられ、昨今の燃油高騰が拍車をかけて、操業の際に余儀なくされる迂回(うかい)・遠回りにも経費がかさむなど、漁業者の経営に深刻な影響を与えています。
この問題は、七月二十五日の経済労働委員会の県漁連への聞き取り調査のなかで明らかになり、日本共産党沖縄県委員会は、八月の政府交渉の際に訓練水域の廃止を国に求めています。
また赤嶺政賢衆院議員・衆院九州沖縄ブロック比例候補と党県議団は今月八日に県知事に申し入れていました。
玉城県議は今回の知事の表明について、「『安全な操業をしたい』という漁民のみなさんの声に応えるもの。陸・海・空と米軍に支配されている沖縄で、知事に返還を言明させたことは大きい」と意義を強調しています。
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