2008年9月26日(金)「しんぶん赤旗」
迂回献金疑惑の佐藤公安委員長
閣僚適格性問われる
麻生内閣の国家公安委員長に就任した佐藤勉衆院議員(栃木4区)は、日本歯科医師連盟(日歯連)事件で、収賄容疑での立件は見送られたものの迂回(うかい)献金疑惑が取りざたされた一人です。二十四日夜の就任記者会見で「法的に問題はないと思っている」と繰り返しましたが、警察庁を監督する国家公安委員会のトップに座っただけに、明確な説明責任があります。
迂回献金疑惑は、二○○四年に東京地検特捜部が摘発した日歯連事件の捜査過程で浮上しました。日歯連は○一年十一月、佐藤氏ら四人を受取先に指定したうえで、自民党の政治資金団体「国民政治協会」(国政協)に三千万円を提供。同特捜部は、同党を経由し、佐藤氏側に五百万円が渡った「迂回献金」の流れを認定しました。
佐藤氏が代表を務める政党支部の政治資金収支報告書にはこうした記載がなく、佐藤氏は自民党の元宿仁事務局長とともに、政治資金規正法違反容疑(不記載など)で告発されました。しかし、国政協に入った他の献金と混ざり、五百万円を日歯連からの献金と特定できないとして、特捜部は○四年十二月、嫌疑不十分で不起訴処分にしました。
佐藤氏は、就任会見で、「いささかの懸念も持たれないよう返却している」とものべました。
しかし、第一東京検察審査会が○五年四月、前日歯連会長、元宿氏、佐藤氏など主要当事者が、「最終的に被疑者佐藤勉へ提供されたものであると把握していることを認めている」として、不起訴不当と議決しました。
佐藤氏は当時、厚生労働政務官として同省幹部に、日歯連が求めていた「かかりつけ初診料」の適用要件緩和を働きかけています。