2008年9月26日(金)「しんぶん赤旗」

麻生内閣の面々 民主党と共同

宇宙基本法・恒久法・改憲

同類ぶり 浮きぼり


 麻生太郎首相は「総選挙で民主党とのたたかいに勝って初めて天命を果たしたことになる」と、総選挙での民主党との“対決”ムードを演出します。しかし、入閣した顔ぶれを見ると、民主党との政策共同で浅からぬ経歴を持つ面々が並びます。「二大政党」の同類ぶりが浮き彫りとなります。

「せんたく」議連

 内閣の要・官房長官に起用された河村建夫氏は、今年三月に発足した「せんたく議員連合」の共同代表の一人です。同議連は、日本経団連や経済同友会が仕掛ける保守「二大政党」体制の確立を目指すものです。塩谷立文部科学相、小渕優子少子化担当相も参加しています。

 同議連のもう一人の共同代表は、民主党の野田佳彦広報委員長。小沢一郎代表の対抗馬として同党代表選への立候補を検討していた人物です。議連顧問には、岡田克也、前原誠司両副代表も名を連ねます。

 河村、野田の両氏は先の通常国会で、道路特定財源をめぐる「対決」ムードの裏で、宇宙の軍事利用に道を開く宇宙基本法の成立へ自・民の共同を推進。今年五月には与党と民主党の共同提案にこぎつけ、まともな審議もなく成立させた「実績」があります。その後も宇宙基本法がらみの議員会合で交流を続けています。

安保若手議連

 初入閣で防衛相に起用された浜田靖一氏。自民党国防部会長や、防衛副長官を歴任した名うての“国防族”です。浜田氏は四月に活動を再開した自民、民主、公明各党の国防関係議員らでつくる「新世紀の安全保障体制を確立する若手議員の会」の幹事を務めます。

 同議連は、集団的自衛権の行使をはじめとした日米同盟強化や、いつでも自衛隊海外派兵をできるようにする恒久法の早期制定を方針に掲げています。

 議連には民主党の前原副代表、長島昭久副幹事長、浅尾慶一郎「次の内閣」防衛相らが名を連ね、浜田氏や中谷元・元防衛庁長官らの“盟友”として、「恒久法議連案」の作成も目指して活動してきました。

改憲議員同盟

 中曽根弘文外相と鳩山邦夫総務相。中曽根氏は新憲法制定議員同盟の副幹事長、鳩山氏は同副会長兼常任幹事です。

 同議員同盟は今年三月、民主党の鳩山由紀夫幹事長を顧問に、前原副代表を副会長に加えて新体制を発足させました。改憲発議に必要な衆参各院での三分の二以上の多数を念頭に、自民・民主の改憲での共同を進めようとするものです。

 同議員同盟会長で中曽根外相の父である中曽根康弘元首相が、鳩山民主党幹事長に直接電話して参加を求めたといいます。議員同盟幹部の一人は「民主党の幹部の参加を得たことが新体制の重要点」といいます。


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