2008年9月26日(金)「しんぶん赤旗」
米原子力空母が入港
横須賀配備 市民抗議の中
G・ワシントン
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多くの市民の抗議のなか、米原子力空母ジョージ・ワシントン(排水量九万七千トン、乗員約五千六百人)が二十五日、米海軍横須賀基地(神奈川県)に配備されました。
同艦は五月に日本での任務を終えた通常型空母キティホークの後継艦で、日本への原子力艦船の配備は初めてです。空母の恒久配備の危険に加え、五月にG・ワシントンの艦内で発生した火災で核事故への不安が広がり、横須賀市民の約七割が原子力空母の配備に反対しています。
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この日も、東京湾入り口の三浦半島観音崎での集会、基地近くの公園での集会など終日にわたって抗議行動が繰り広げられました。
午前八時ごろ東京湾に入ったG・ワシントンは同十時五分、横須賀基地一二号バースに接岸。世界最大の戦闘艦がその姿を現しました。
日米両政府による式典でウィンター海軍長官は、原子力空母の配備が「日米同盟へのコミットメント(誓約)を体現」していると強調。シーファー駐日米大使は、原子力空母を容認した横須賀市の蒲谷亮一市長に対して、「断固とした友情と理解に感謝する」と絶賛しました。中曽根弘文外相のメッセージも紹介されました。一方、火災事故や米原潜による相次ぐ放射能漏れ事故の原因究明、再発防止についての言及はまったくありませんでした。
式典と同じ時間帯、横須賀中央駅前では平和・民主団体による座り込み抗議行動が行われました。横須賀市在住で、長崎県で被爆した男性(72)は、「私たちは原爆の恐ろしさを知っている。みんなで反対して、ジョージ・ワシントンを日本から追い出そう」と訴えました。
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