2008年9月24日(水)「しんぶん赤旗」
金融の規制強化を
英財務相 新「銀行改革法」提案へ
【ロンドン=岡崎衆史】ダーリング英財務相は二十二日、英中部マンチェスターで開かれている労働党大会で演説し、金融危機の再発を防ぐため、金融規制を強化する必要があるとの考えを表明しました。また、金融関係者の高額すぎる報酬についても是正を求めていくとしました。
同財務相は、銀行システムの監視強化、監視機関の権限強化、透明性の確保、信用格付けの改善などのため、「より厳しい規制が必要なことを疑う者はいない」とし、英政府が金融規制強化のための努力を強めていると強調。二週間以内に新たな銀行改革法を下院に提案することを明らかにしました。
同財務相はまた、金融監督機関の「金融サービス機構」(FSA)に対しても、規制体制の改善対象について調査を行うよう求めたとし、「金融システムで見つかったどんな弱点にも対処する」と約束しました。
一方、ダーリング財務相は、金融関係者の莫大な報酬が「決定方法をねじまげた」と述べ、報酬のあり方が投機など無責任な金融取引の要因の一つだとの見方を示し、これを是正する必要についても言及。「ボーナスは短期的な無責任な決定でなく、長期的な決定を促さなければならない」と訴えました。同財務相は、金融規制と高額報酬の問題で、米国や欧州諸国と協力して解決策を見いだすと述べました。
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