2008年9月20日(土)「しんぶん赤旗」

08年選択

「ネット右翼」だった僕

この夏に入党

誤解とけた共産党HP


 この夏、関西のある大学に通う十九歳の男性が日本共産党に入党しました。高校時代は「ネット右翼だった」と自称する男性が変化するきっかけは、インターネットの党ホームページへのアクセスでした。


「まさにこれ」

 ネット上では、戦前の言論弾圧についての論争で「(弾圧された人たちは)国家を転覆しようとしてたやろ」、自衛隊による市民監視には「国を守るためなら当然」と書き込みをしたという男性。「いつから外国いいなりの軟弱な国になったのか。日本を売り渡そうとしている共産党は国外追放すべきだ。乱れている日本の規律を正すため教師になって道徳を教えよう」と思っていたといいます。

 前回総選挙で「自虐史観」からの脱却を掲げる「維新政党新風」に注目し、「この党が伸びれば日本は変わる」と期待しましたが、全員落選。「客観的にこの考えは受け入れられないんだ」と気づきます。

 その後、日本共産党ホームページで綱領を読み、誤解がとけました。「アメリカ、大企業言いなりやめようよ。自分の思っていたこと、まさにこれじゃないか」と合点。国家を転覆する「武力革命の党」などではなく、「選挙で多数をとろう」としていることも分かりました。「大政翼賛体制に抗して、反戦・民主主義を貫き、言論弾圧されながらたたかってきた。すごいことだと思った」と話します。

素通りしたが

 今年四月、大学の入学式で、学費値下げの署名に取り組む民青同盟のメンバーに出会います。「国立大だから安いほうやし、しゃあない」と素通りしました。

 「でも実際、借金になるから奨学金を利用しないという友達がいたんです。僕らは金がないから奨学金をいただいているのに、利用もできない状況がある。おかしい」。民青同盟の班に連絡をとりました。

なんで9議席

 誘われて党綱領学習会に参加しました。「米軍への思いやり予算や道路特定財源を見直し、税金の使い方を変えれば、ぼくたちが負担しなくても福祉を充実させられるし、奨学金も(貸し付けから)給付型に充実させられるんですよね。ふつうにみんなが暮らしていけるようにしようとしているのが共産党。過去の国会議事録を見ても終始、まともなことを言っていた。データを見たら正論なのは明らかで、こんなまともなのになんで(衆院で)九議席しかないんだよーと思いました」

 入党を考えた男性は七月、小選挙区兵庫1区候補の味口としゆきさんのブログを見て、「近くに共産党があることを知り」、メールしました。「共産党員になりたい」と両親に打ちあけたところ、「就職が不利になる」と反対されたことがひっかかっていたからです。

 翌日に会った味口さんは「党創立八十六周年記念講演会」での志位委員長講演パンフを示し「戦前も、大企業の中でも、不当なことに頭を下げなかった党員がいたから、日本の民主主義が発展してきたんだと思う。おかしいことには頭を下げない生き方をしましょう」と男性に呼びかけました。

 男性は「そりゃそうです」とこたえて、入党を決意しました。

 党の魅力について、男性は、「いい人ばっかりいる」と話します。「入党のとき味口さんから『人として分厚くなれよ』と言われたんです。周りから信頼される人になって、党を理解してもらえるように話したい。まだ、選挙権がないのが悔しいです!」


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