2008年9月20日(土)「しんぶん赤旗」
ハリケーン復旧作業
米の経済封鎖が障害
キューバ
【メキシコ市=島田峰隆】キューバのペレス外相は十八日、ハバナで、米国による経済封鎖の被害の報告書を発表、経済封鎖が同国を襲ったハリケーンの復旧作業の「最大の障害」になっていると批判しました。
報告書によると、経済封鎖による損害は二〇〇七年に約三十七億ドル(約三千九百億円)に上ります。封鎖が始まった一九六二年以来の累積被害額は九百三十億ドルに達します。報告書は国連総会に提出されます。
八月から九月にかけて二つの大型ハリケーンに襲われた同国は復旧作業を進めています。ラウル・カストロ国家評議会議長は十七日、南部のフベントゥ島を訪問。現地の共産党指導部と会談し、港や病院での作業を視察しました。
またキューバ政府は同日、国内農業生産を強化するため、有効利用されていない土地を農民や協同組合に提供する計画を始めました。同計画はラウル議長が就任以来、優先課題に掲げていたものですが、ハリケーン被害で前倒し実施されます。
二つのハリケーンでは三百二十万人が避難、四十四万戸を超える家屋や農地五万ヘクタール以上が被害を受けました。「アイク」による死者は七人でした。