2008年9月20日(土)「しんぶん赤旗」
保育園直接契約は不安
親の会代表 慎重検討を要請
厚労省部会
保育サービス提供の新しい仕組みなどを検討している社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)少子化対策特別部会(大日向雅美部会長)は十八日、会合を開き、保育関係者らからヒアリングを行いました。
保育園を考える親の会代表の普光院亜紀氏は、行政を介さず親が直接保育所に入所を申し込む「直接契約」について、会員から集めたアンケート結果をもとに意見表明しました。
アンケートでは「反対」が70・2%にのぼり、「入園手続きや努力の負担が増大するのでは」「子どもの平等が損なわれ、格差が拡大するのでは」などの意見が寄せられたといいます。
普光院氏は「就労家庭にとって、役所に入園申請できることが負担の軽減や安心感につながっている」「直接契約では(施設による入所者の)逆選択が起こりうる」と述べ、「慎重な検討」を求めました。
全国学童保育連絡協議会の真田祐事務局次長は、学童保育の整備が量的にも質的にも遅れていることを告発しました。とくに、約六万人いる指導員の七割以上が非正規雇用で、年収も百五十万円未満が52・7%にのぼるなど、労働条件が劣悪だと指摘。「国の補助金を大幅に増やし、貧困な実態を底上げすべきだ」と訴えました。