2008年9月19日(金)「しんぶん赤旗」
13年間 汚染米輸入
1万トン実態把握せず
「小麦も同様」に調査約束
農水省
参院委で紙氏追及
参院農水委員会は十八日、毒性の強い発がん性のカビや農薬に汚染された外国産米が食用として転売されていた問題で閉会中審査を行いました。日本共産党の紙智子議員は、危険な外国産米の輸入を続けてきた政府の責任をただすとともに、事件の徹底解明を求めました。
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政府は一九九五年度以来、WTO(世界貿易機関)農業協定のミニマムアクセス米(MA米=外国産米)を「義務」だといって、年間七十七万トンも輸入してきました。
紙氏は、「(MA米は)義務ではないのに、義務だといってどんな不衛生な米でも輸入してきたことが問題の背景にある」と指摘。「それを進めてきた農水省の責任こそ真っ先に問われなければならない」と批判しました。
太田誠一農水相は、「MA米は高関税を認めてもらうかわりに課せられた義務だ。そのなかには非衛生的な物もあるし、食品衛生法違反のものもあるかもしれない」などと述べ、無反省な姿勢を示しました。
紙氏は、輸入業者と農水省との契約が、検疫で食品衛生法違反となったMA米も非食用として輸入できるようになっていると指摘。厚生労働省の資料をもとに紙氏が調べたところ、食品衛生法違反のMA米は二〇〇七年度までに一万七百二十八トンに上ると述べました。取り扱い状況をただしたのに対し、農水省、厚労省とも実態を把握していないことを明らかにしました。
紙氏は、加工用として輸入された米も主食用に転用された可能性があるとし調査を要求しました。輸入小麦でも、汚染米と同様の事例があるとの内部告発を示し、あわせて調査するよう求めました。
農水省の町田勝弘総合食料局長は、加工用米について「徹底的に調査する」と答弁。輸入小麦についても太田農水相の「調査する」との答弁を受け、委員会後の理事懇で調査結果を委員会に提出することを決めました。
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