2008年9月14日(日)「しんぶん赤旗」
パキスタンへの攻撃受け英紙
米の「対テロ戦争」を批判
【ロンドン=岡崎衆史】米軍のパキスタン領内での軍事行動が明らかになったことに対して、十二日付の保守系、革新系双方の英紙は、ブッシュ米政権の「対テロ戦争」を批判しました。「地域全体の戦争」につながるとの懸念も出ています。
革新系のインディペンデント紙は「(テロとのたたかいの)解決策はジョージ・ブッシュ(米大統領)からはもたらされない。ブッシュは、パキスタンの主権侵害という向こう見ずな決定によって、『われわれの側につくのか、テロリストの側につくのかどちらかだ』との9・11米同時テロ時の持論にしがみついていることを示した」と酷評しました。
保守系のデーリー・テレグラフ紙は社説の中で、「パキスタン領内でテロリストを捜索するとの一方的決定は、反米感情をさらに強めることになる」と指摘しました。
革新系のガーディアン紙は、米軍のパキスタン領内での軍事作戦実施は「拡大しつつある紛争がアフガニスタンからパキスタンに広がり、地域全体を巻き込んだ戦争を引き起こす恐れを高めた」と警鐘を鳴らしました。
同紙はまた、9・11テロ七周年の十一日付の社説で、「われわれ共通のテロへの取り組みは、戦争ではないことを米国の有権者は理解しなければならない。それは戦争よりももっと重要なものだ」と述べ、包括的なテロ対策が必要だとの考えを強調しました。