2008年9月14日(日)「しんぶん赤旗」
保険金不払いの大手生保
自民献金 軒並み増
“見返り”は銀行窓口販売解禁
巨額の保険金不払いで問題になった大手生命保険(生保)会社八社が、二〇〇七年に軒並み自民党への献金額を増やしていたことが、同年の政治資金収支報告書で明らかになりました。
最高は、生命保険協会の会長企業だった日本生命。保険金不払い問題で社長が国会に参考人として招致・追及されています。前年より三百十八万円増の千七百十三万円を献金しました。
金融庁は〇七年二月、国民の批判を受け、生保業界に保険金不払いの報告を要求しました。同年十二月に生保が金融庁に提出した報告書によると、生保三十七社は、五年間(〇一―〇五年度)に合計約百三十五万件、約九百七十三億円もの保険金不払い、支払い漏れをしていました。
金融庁は今年七月、大手生保十社にようやく業務改善命令を出しました。今回の政治資金収支報告書は、まさに生保が国民から批判を受けていた時期のものです。
行政処分を受けた十社のうち、自民党に長年、多額の献金を続けている七社の保険金不払いの合計は五年間(同)で六百九十七億五千百万円。この七社は、保険金不払いを続けていた五年間に自民党に合計二億三百八十七万円(〇四年に明治生命と安田生命は合併)もの献金をしていました。
生保業界は、昨年十二月、「銀行窓口での保険販売の全面解禁」を実現。事実上の“見返り”を得ています。
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