2008年9月13日(土)「しんぶん赤旗」
自民総裁選候補の政治資金
巨額の“上納金” 飲食費
麻生氏パーティー
一晩8000万円集金
二代連続の政権投げだしには無反省なまま、「改革」「政策論争」などの言葉を並べたてている自民党総裁選―。しかし、十二日付官報で公表された二〇〇七年分の政治資金収支報告書から資金の実態をみると、各候補とも旧態依然とした金権体質ぶりが見えてきます。
総裁選最有力候補といわれる麻生太郎幹事長は、集金額も最多です。同氏の資金管理団体「素淮(そわい)会」の収入は一億三千六百五十万円。このうち八千四百七十万円が昨年六月に都内のホテルで開いたパーティーの収入です。
一晩で八千万円以上も集金したパーティーですが、会場代などにかかった経費はわずか五百四十二万円。しかもパーティー券の購入先がはっきりしているのは、九社が購入した七百二万円分だけで、残りは公表義務のない二十万円以下として処理されており、実態は不透明です。
さらに「寄付」の欄には、北海道素淮会、東海素淮会、中国素淮会などの名前がならびます。
これらの政治団体は、麻生氏が地方に張り巡らせた集金システム。全国各地で開いたパーティー収入などが“上納金”として集まる仕組みです。〇七年分では二千七百五十万円もの“上納金”がありました。麻生氏はそうした“財布”を少なくとも十七も持って巨額の資金を集めているのです。
麻生氏はこうして全国から集めた資金を、異常なほどの飲み食いに使っています。素淮会の支出をみると、〇七年の会合は百二十三回。一日で百万円を超える飲食代が五回もあり、総額は約二千四百十万円にものぼりました。
与謝野馨経済財政担当相―。資金管理団体「駿山会」が、九回も行ったパーティーはまったく透明性に欠けるものです。
一回の収入が六百万―八百万円と高額で、合計六千百八十二万円にのぼるにもかかわらず、九回すべてが内容の公表義務がない一千万円以下になっているために、何人参加したのかもまったく分かりません。
与謝野氏は、〇六年までは毎年、強引な勧誘で被害を広げていた商品先物業界の政治団体から巨額資金(〇〇年から六年間で三千九百五十五万円)の提供を受けていました。こうした業界の資金提供もパーティー収入からは不明です。
七千五百万円余を集めた石原伸晃元政調会長は、自身の資金管理団体「石原伸晃の会」が、公共工事をめぐる不正で、国土交通省などから指名停止処分を受けた建設会社の社長から献金を受けていました。献金をしていたのは、秋田県由利本荘市の建設会社「長田建設」社長で、〇六年、〇七年に各五十万円を寄付しています。