2008年9月13日(土)「しんぶん赤旗」
総選挙躍進へ 全国遊説スタート
財界・アメリカ中心の異常ただし
「国民が主人公」の新しい日本を
志位委員長訴え 福岡・天神に2500人
「異常な財界中心・アメリカいいなりの政治から、『国民が主人公』の日本へ。いまこそ政治の中身を大本から変えるときです」―。早期の解散・総選挙が濃厚になるなか、日本共産党の志位和夫委員長は十二日、福岡市の天神で、総選挙勝利に向けた全国遊説をスタートさせました。街頭演説では、会社帰りのサラリーマンや買い物客なども足を止めて聴衆の輪が広がり、二千五百人が熱心に耳を傾けました。全国遊説は比例二議席獲得をめざす九州・沖縄ブロックを皮切りに全国十一ブロックすべてで行われます。
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冒頭、自民党総裁選について、「にぎやかにやれば人気が上がって選挙に勝てるという思惑なら、まったくの思い違いです」と切り出した志位氏。福田康夫首相の辞任表明後に行われた定数一の京都市南区の市議補選で、共産党が自民党に圧勝したと報告すると聴衆からは、「すごい」の掛け声とともに大きな拍手がわき起こりました。
志位氏は、福田首相の政権投げ出しの大本には、自公政治の行き詰まりがあると指摘。異常な大企業中心、アメリカいいなりの政治が「立ち往生している」と述べ、「この異常なゆがみを大本からただす政治の中身の切りかえが必要です」と強調しました。
志位氏は、まず「生活が苦しい」と答えた人が過去最多となった厚労省調査を示し、「多くの国民の願いにこたえる政党はどの政党か」と問いかけました。
雇用問題では、派遣労働者を世界的大企業が食い物にして、大もうけしている実態を自らの調査をふまえ、リアルに告発。日本共産党が派遣労働の原則自由化に唯一反対を貫いたことをあげ、「人間らしい労働のルールをつくれの願いを日本共産党に託してください」と訴えました。
社会保障では、後期高齢者医療制度への怒りが時がたてばたつほど広がる状況だと述べ、戦火を生き抜いたお年寄りの強い怒りの声を紹介。制度の原型ができた時から差別医療の問題を見抜いて反対した党の役割をあげ、「日本共産党に制度撤廃の願いを託してください」と呼びかけました。
また、財源といえば「いずれは消費税増税」と口をそろえる自民党、民主党を批判。「福祉財源に“福祉破壊税”を使うのは邪道中の邪道です」「日本共産党は消費税増税反対、食料品は非課税にすべきと訴えてたたかいます」と表明しました。
財源として第一は、軍事費などあらゆる無駄にメスを入れることです。志位氏は、政党助成金三百二十億円をなくせば障害者福祉の「応益負担」を撤回できると訴えました。
第二は、大もうけをしている大企業・大資産家に応分の負担を求めることです。志位氏は、バブル期から利益を二・二倍に増やしたトヨタ自動車の税金が二割減ったことなどを指摘。ゆきすぎた減税をただせば七兆円規模の財源がつくれると強調しました。
暮らしのどの問題でも大企業中心の政治の異常なゆがみとぶつかると述べた志位氏は、「企業献金をビタ一文受け取らない日本共産党を伸ばしてこそ、暮らしを守る一番の力になります」と力を込めると、聴衆は大きな拍手で応えました。
平和の問題では、アメリカの戦争支援のための新テロ特措法延長案について、「戦争でテロはなくせません」と指摘。アメリカいいなりの根源には日米安保条約という巨大な政治悪があることをあげ、「安保をなくして基地のない平和な日本をつくれの声をこぞって、一貫して反戦平和を貫く党・日本共産党にお寄せください」と訴えました。
最後に志位氏は、「政治の中身を変えないままで政権の担い手だけを変えても、明日は開けない」と力説。「頑張りぬけば前進、躍進が可能な選挙です。どうか、日本共産党の躍進に力をかしてください」と訴えると、大きな拍手に包まれました。
街頭演説には、赤嶺政賢衆院議員、田村貴昭、小林とき子(福岡2区重複)、しのだ清(同10区重複)各衆院比例九州・沖縄ブロック候補らも駆けつけました。赤嶺議員は「後期高齢者医療制度の廃止を求める国民の先頭に立ちたい」と決意を表明。田村候補は「政治を国民本位に切り替えられるのは日本共産党。二議席回復を目指し頑張りたい」と力を込めました。
福岡市南区から来た女性(75)は、「訴えは全部何の異論もない。アメリカ追従をやめられるのは共産党しかない。やめられれば、お金を医療、生活、教育に回せる」と話します。自民党政治を変えたいという思いから民主党に票が流れることを危ぐしながら、「一人でも多くの人に志位さんの話を聞いてほしい」と語りました。