2008年9月12日(金)「しんぶん赤旗」

米兵犯罪資料

利用禁止 見直しを

国会図書館に 図書館協会が要請


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(写真)6月に閲覧禁止になった国会図書館所蔵の法務省マル秘資料

 全国の図書館などが加盟する日本図書館協会は十一日、米兵犯罪の裁判権に関する法務省のマル秘資料について、国立国会図書館に対し、利用禁止措置を速やかに見直すよう要請したことを明らかにしました。同資料については、法務省の要請・圧力を受け、国会図書館が六月から一般への閲覧を停止しています。

 同協会は、全国の公共、大学、学校など各種図書館と関係者らが連携し、図書館事業の進歩・発展を図ることを目的とした社団法人です。

 同協会が十日付で国会図書館に送った要請文は、日本の図書館界の総意である「図書館の自由に関する宣言」が「すべての検閲に反対する」としていることを指摘。「国民が情報を受けとる自由を妨げる行為は、検閲と同様の結果をもたらす」と述べ、「様々な社会的・政治的圧力による…自己規制は、図書館の運営原則に反する」としています。

 問題の法務省資料について、米兵犯罪と住民の安全、日本の主権と日米同盟のあり方など「国民の大きな関心事に深くかかわり、まさに国民の知る権利の対象」であると強調。同資料は、国会図書館が適正な業務として収集し、長年にわたり自由に閲覧できていたことにも触れ、「作成機関が本件図書を国民の目から遮断するよう求めたことを理由に、それに応じることは、『宣言』が戒める過剰な自己規制にあたる」と述べています。

 同協会では、十八、十九日に神戸市で開く全国図書館大会でもこの問題を協議する予定としています。


 法務省マル秘資料 一九七二年三月に法務省刑事局が作成した「合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料」。米兵犯罪の第一次裁判権放棄に関する通達や、非公表の日米合意などが収録されています。マル秘指定ですが、古書店で販売されていたものを国会図書館が入手し、閲覧に供していました。



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