2008年9月11日(木)「しんぶん赤旗」
政権投げ出し無反省
自民総裁選 5候補が会見
消費税増・派兵で一致
自民党首相による二代連続の政権投げ出しへの反省は一言もなく、逆に消費税増税やインド洋への自衛隊派兵延長では驚くべき一致ぶり―。十日告示された自民党総裁選に麻生太郎幹事長、石破茂前防衛相、石原伸晃元政調会長、小池百合子元防衛相、与謝野馨経済財政担当相の五氏が立候補。共同記者会見で、行き詰まった自公政治の枠組みから一歩も出ない姿勢を示しました。
会見で麻生氏は、年金財源に関連して、「消費税を上げるまでの間、(特別会計の)余剰金を使うのも一つの方法」と、将来の増税を当然の前提にしました。他の候補も「将来消費税を使うことは当然ありうる」(石破氏)、「消費税がこの(年金)問題の唯一の安定財源だ」(与謝野氏)など、増税姿勢を相次いで示しました。
また、米軍の戦争を支援するインド洋での給油活動については、「それ以外のテロとのたたかいに対する手だてが日本にあるのか」(石原氏)、「日本の国内事情で引き戻すことは断腸の思い」(小池氏)、「日本だけが撤収することは常識的に考えられない」(麻生氏)、「全知全能を絞ってやるべきだ」(石破氏)などと、全員が派兵延長を強硬に主張しました。
また、「小泉構造改革は成功した改革だ」(与謝野氏)、「(国際競争のなかで)このままいけば日本そのものがシャッター街になる。そして過疎の国になってしまう」(小池氏)などと、「構造改革」路線を擁護する声まで飛び出しました。
「自民のCM そのものだ」
NHK報道に批判
NHKは十日、自民党総裁選の共同記者会見を総合テレビ・ラジオ・衛星放送で一時間以上生中継したほか、夜七時のニュースで五候補を出演させ、冒頭から四十分以上、インタビューしました。
共産党本部にはNHKの報道ぶりへの批判が十数本かかってきました。ある男性は、「公共放送を使っての自民党CMそのものだ。国民が選ぶわけではない一政党の総裁選を、こんなに長時間放送しつづけるのはまったく不公正な報道だ。NHKに電話してもぜんぜんつながらない」と怒りをぶつけていました。