2008年9月10日(水)「しんぶん赤旗」
日雇い派遣禁止に値せず
厚労省「たたき台」を批判
派遣労働ネット
労組などでつくる「派遣労働ネットワーク」は九日、労働者派遣法の見直しを審議している労働政策審議会の部会で厚労省が示した「たたき台」について、「根本問題を解決するにはきわめて消極的である」などとして抜本的見直しを求めました。東京都内で記者会見しました。
十二日の会合で早くも報告書をまとめる作業に入ることについて「拙速にしないでほしい」と求めました。
中野麻美理事長（弁護士）は、「たたき台」では三十日を超えた期間であれば日々単位の派遣契約を締結できるようになっており、「日雇い派遣禁止の名に値しない」と指摘。
登録型派遣から常用型派遣に誘導するとしているが、その常用型派遣について派遣先の優先的雇用申し込み義務を解除するなど制度の根幹を揺るがしかねない規制緩和を含んでいるとのべました。
少なくとも派遣対象業務を原則自由化した一九九九年の法改正前に戻すことが必要だと強調しました。
派遣法改正の焦点として、(1)常用型派遣を原則として登録型派遣は認めない(2)法の逸脱には派遣先に直接雇用責任を負わせる「みなし雇用制度」を導入する(3)均等待遇やマージン（派遣元の手数料）規制を行う―よう求めました。
派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は、派遣労働の電話相談（六月）の内容を紹介。派遣労働者を短期間、直接雇用してまた派遣に戻す「偽装直接雇用」が広がっていることをあげて、「みなし雇用」導入や登録型派遣の厳しい規制が求められていると強調しました。
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