2008年9月9日(火)「しんぶん赤旗」
米住宅金融2社に公的資金
政府が各10兆円枠
【ワシントン=西村央】米政府は七日午前、低信用層向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題の影響で業績不振に陥っていた政府系住宅金融会社の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)への救済策を発表しました。
主な内容は、両社それぞれに一千億ドル(約十兆八千億円)の公的資金注入枠を設定する、さらに、両社を一時的に政府の管理下に置くというものです。
米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル電子版によると、両社は米住宅金融市場の約半分にあたる五兆ドル(五百四十兆円)のローン債権を保有あるいは保証しています。サブプライムの影響を受け四半期ベースで四期連続で巨額損失を計上し、その額は百四十億ドル(一兆五千億円)に達していました。ローン破たんで「抵当流れ」となるケースの増加により、さらに損失が拡大する危機に直面していました。
この日会見したポールソン財務長官は今回の救済策について、「住宅金融を含めた金融市場の安定化と、納税者保護のための責任から取った措置である」と表明しました。
ファニーメイのマッド、フレディマックのサイロン両最高経営責任者(CEO)は近く辞任する予定です。連邦住宅金融局(FHFA)は両社の経営を管理下に置くとともに、金融界出身のハーブ・アリソン、デービッド・モフェット両氏をそれぞれの後任に選任しました。