2008年9月9日(火)「しんぶん赤旗」
“クーデターの可能性はない”
タイ首相
【ハノイ=井上歩】タイのサマック首相は七日、テレビ演説で軍部によるクーデターの可能性はないとの認識を示し、二十三日にニューヨークで開かれる国連総会に出席するとのべました。反政府団体「民主主義市民連合」の首相府占拠による政治の混乱が続いており、軍が再びクーデターを起こすとの懸念が出ています。
サマック首相は「軍司令官はすでにクーデターを起こす理由はないといっている」と語りました。二〇〇六年、タクシン元首相が国連総会出席のため外遊していた時にクーデターが起きたことを挙げ、「それでも国連に行き、演説する」とのべました。国連では政治情勢について説明するとみられます。
同首相は政治の混乱についても「状況に対処できている」とのべました。
ロイター通信によると、ブーンスラン国軍最高司令官は六日の軍高官の会議後、同通信に「いまクーデターを考えている軍高官はいない。それは選択肢にない」と言明。一方で「もし延々とこのような状態が続き、国民が軍にクーデターを求め続けるなら、何が起こるかわからない」とも語りました。