2008年9月8日(月)「しんぶん赤旗」
米2大政党 連夜のパーティー
“お祭り”の舞台裏
巨額献金の企業や利益団体が議員接待
党大会の期間中500回
「お祭り」ともいわれる民主・共和の全国党大会は連日、夕方から始まり、テレビのゴールデンタイム(東部時間)に合わせた基調演説がクライマックスになります。その後、代議員や大会関係者を待っているのが企業や利益団体が主催するパーティー。政治家と利益団体の癒着は、今後の大統領選挙でも争点となることが予想されますが、二大政党の党大会では「二次会」ともいえるパーティーが依然として健在です。(セントポール<米ミネソタ州>=鎌塚由美)
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大会中のパーティー監視ウェブサイトを立ち上げたワシントンの公益団体「サンライト基金」によると、大会期間中のパーティー数は民主党で四百以上、共和党で百を上回るといいます。
同基金は大会前に、大手ロビー事務所が取りまとめたパーティー会場のリストを暴露。リストにあるダイムラー(自動車大手)主催パーティーの現場、ミネアポリス中心街の高層ビルを訪ねました。
最上階で予定されるパーティーですが、一階のエレベーター前にいる警備員が言うには「招待状がないと上には行けない」。企業が開くパーティーの多くは「私的なパーティー」を理由に一般の人々の目から隠されているのが実態です。
閉ざされたドアの向こうのパーティーの内容は、有名歌手のコンサートから食事や飲み物の振る舞いなど。招待客は、無料で接待されます。
「抜け穴」指摘
このような政治家とロビイストの癒着が批判されるなか、連邦議会下院の倫理委員会は昨年末、「倫理規定」としてガイドラインを策定しました。しかし、パーティーは一向に減っていません。
サンフランシスコ・クロニクル紙(八月十九日付)は、食事は駄目だが「オードブル」ならよく、コンサートでは無料で気が引ける連邦議員のために「気持ち」を支払う場所が設置されているなどの「抜け穴」を紹介。倫理規定が「曲解」されていると指摘しました。
ロサンゼルス・タイムズ紙(同二十五日付)は、大会運営委員会に巨額の献金をしている企業やロビイストは、招待する政治家と「以前にビジネスをしたことがあるケースがしばしば」だと指摘。政治家と利益団体の癒着が変わっていないことを伝えています。