2008年9月7日(日)「しんぶん赤旗」
原発ラッシュに懸念
金沢 科学者会議がシンポ
日本科学者会議エネルギー・原子力問題研究委員会は六日、原発とエネルギー問題をテーマにしたシンポジウムを金沢市内で開きました。各界の専門家や住民ら約八十人が活発に討論しました。
元電力中央研究所員の本島勲氏は、世界で原発建設・計画が急増している現状について報告し、核燃料の争奪戦激化、核拡散への懸念を指摘しました。日本の原子力業界の海外進出について、「原発の危険を輸出するものだ」と批判しました。
同委員会委員長の野口邦和・日本大学専任講師が、原子力問題での科学者運動の歴史と未来について記念講演。チェルノブイリ原発事故などでの取り組み、原子力研究の平和・公開・民主の立場を確立した科学者の役割について紹介し、「これからも、思想信条の違いをこえて科学者が団結することが大切だ」と述べました。
深尾正之・元静岡大学教授は、昨年発覚した志賀原発での制御棒引き抜け事故について、問題点を報告しました。元金沢大学教員の飯田克平氏は、珠洲(すず)原発の建設を断念させ、志賀原発の情報公開を求めてきた石川県の科学者と住民の四十年にわたる運動をふりかえりました。
日本共産党の吉井英勝衆院議員が発言し、自然エネルギー導入のしくみの整備の必要性を訴えました。
七日は、原発の耐震設計や防災のテーマで議論します。