2008年9月6日(土)「しんぶん赤旗」

ベネズエラ大統領 南ア初訪問

中南米・アフリカ協力促進


 【メキシコ市=島田峰隆】ベネズエラのチャベス大統領は二、三の両日、南アフリカ共和国を初めて公式訪問し、同国のムベキ大統領と会談しました。両大統領は十一月に開かれる第二回南米・アフリカ諸国首脳会議に向けて中南米とアフリカ諸国の交流促進を確認。途上国同士の「南南協力」強化で合意しました。

 第二回南米・アフリカ諸国首脳会議は十一月、ベネズエラの首都カラカスで開かれます。同会議は南米諸国連合(UNASUR)とアフリカ連合(AU)が共同で開く会議で、〇六年十一月に第一回を開催。平和の地域共同体同士の連携として注目されています。

 チャベス大統領の訪問は、同会議成功の基盤づくりも目的。両大統領は、二国間関係だけでなく中南米とアフリカ全体の交流促進を議論しました。

 会談後の記者会見で、チャベス大統領は、「世界は動いている。世界にモデルを押し付ける一極覇権は崩壊した」と強調。金融、食料、地球環境などで世界が危機に直面している今こそ「南の国々の団結が不可欠、緊急だ」と指摘しました。

 また、金融面での自立を目指して南米諸国がつくった南米銀行にアフリカ諸国も加わるよう促しました。

 ムベキ大統領は、両国間の合意は「中南米、アフリカを見据え、途上国の統合と協力を強化するものだ」と歓迎。パハド外務副大臣は「すべての国が平等で、いかなる大国も支配しない世界になることを望む点で両国は共通している」と語りました。

 南アの地元紙は、エネルギー協力の合意はベネズエラと南アの「関係維持の推進力」になり、「南南対話に実質的な内容を吹き込む可能性がある」という専門家の論評を掲載しました。

 両大統領は二日、南アの首都プレトリアで会談。エネルギー協力、通信、文化交流など五項目の合意を結びました。

 報道によると、チャベス大統領は同国南東部のオリノコ油田地帯の開発に南ア企業が参加することを提案しました。ベネズエラが南アに対し優遇価格で石油を提供することや石油精製所の建設も議論されたといいます。


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