2008年9月1日(月)「しんぶん赤旗」
保育所数
私立が公立上回る
52年ぶり 民営化の流れ示す
厚労省調査
全国に約二万三千カ所ある認可保育所で、公立保育所数が私立保育所数を下回ったことが、今年四月一日現在の厚生労働省の調査で分かりました。公私の比率が逆転したのは一九五六年に公立が私立を上回って以来です。保育所の民営化の流れが進んでいることを示しています。
調査によると、今年四月一日現在、保育所数は、前年度から六十一カ所増え、二万二千九百九カ所となりました。公立は一万一千三百二十八カ所(前年度比二百七十五カ所減)、私立は一万一千五百八十一カ所(同三百三十六カ所増)で、私立が公立を上回りました。
政府はこの間、公の施設の管理・運営を民間事業者に委託できる指定管理者制度の導入(〇三年)や、公立保育所運営費の一般財源化(〇四年)などを進め、保育の民営化に道筋をつけてきました。
公立保育所があることによって、自治体は職員配置を改善するなど保育水準の確保に努めます。それが私立保育所への独自補助にもつながり、保育全体の水準を維持・向上させてきました。民営化の進行は、保育の質に対する公的責任を大きく後退させるものです。
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