2008年8月31日(日)「しんぶん赤旗」
太田農水相
福岡事務所費も疑惑
05―06年 1400万円余が不透明
不適切な事務所費処理で問題になっている太田誠一農水相(衆院福岡3区)が、福岡市に事務所を置く資金管理団体「誠山会」でも、実際に支払っている家賃よりも大幅に多い事務所費を計上していることが三十日、本紙の調べでわかりました。
誠山会は、福岡市早良区内の三階建てビルを「主たる事務所」の住所として総務省に届けています。同事務所関係者は取材に対し、「事務所には、誠山会と(太田氏が支部長の)自民党福岡県第三選挙区支部が同居している。県内にほかには事務所はない」と説明しました。
大家である福岡市内の不動産会社「九州勧業」によると、同ビルの家賃は月額六十三万円。これを第三選挙区支部と折半して、三十一万五千円を誠山会が支払っているといいます。年額で三百七十八万円です。
政治資金収支報告書によると誠山会は、一千二百十八万円(二〇〇五年)、九百七十四万円(〇六年)と二年間で計二千百九十二万円の事務所費を計上しています。
政治資金規正法は、事務所費について家賃のほか、火災保険金、電話使用料、切手購入代などに限定。しかし、同会事務所費のうち家賃分は三割程度で、それ以外が〇五、〇六の両年で一千四百万円以上にのぼります。
太田氏は、東京の秘書官宅を事務所として事務所費などを計上していた問題で二十九日、「議員会館や福岡の事務所でかかった経費も計上した」と釈明。公表した〇五、〇六両年の支出内訳には電話代、郵便代なども含まれています。これらが福岡事務所でも使われたとすれば、誠山会の事務所費の使途がさらに不透明になります。
東京の太田氏事務所に誠山会で計上した事務所費の使途について説明を求めましたが、三十日までに回答はありませんでした。