2008年8月29日(金)「しんぶん赤旗」
米艦参加で航行制限
東京港工事の中断も
防災訓練
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東京都は米海軍の強襲揚陸艦エセックス(米海軍佐世保基地、排水量四〇、六五〇トン)を三十一日の都総合防災訓練に参加させることに伴い、五日前からしゅんせつ工事を休止した上、民間船舶の航行まで制限していたことが二十八日、本紙の調べで明らかになりました。
二十七日に東京港木材ふ頭(江東区)に入港したエセックスは三十日まで係留する予定です。都と東京海上保安部の関係者にあてた本紙入手の内部資料によると、米艦の入港料・係留施設料金を免除し、エセックスが入・出港する時間帯は、民間船舶に対し東京東航路の航行を禁止することを通知しています。
木材ふ頭周辺海域で都港湾局が実施しているしゅんせつ作業も、米艦のいる間は中止しています。東京港建設事務所は「都直営のしゅんせつ船は、二十六日から三十一日まで、事務所に移動し作業を中止している」としています。
防災訓練日の三十一日にエセックスは葛西臨海公園沖に停泊し、同公園から震災時の「帰宅困難者」をヘリコプターとホバークラフト型揚陸艇で同艦まで輸送し、すぐ同公園に戻す予定です。都総務局総合防災部によると、同艦の訓練参加時間は午前九時から正午までの約三時間、輸送人員は九十七人としています。
都関係者からは「百人程度の輸送に、なぜ米艦が必要なのか。大災害時の海上輸送は、客船や漁船、屋形船に頼む方がはるかに有効だ」「米艦船を呼んだことで、東京港の機能が阻害されている。石原知事の東京港私物化は許せない」との声があがっています。
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