2008年8月29日(金)「しんぶん赤旗」
米軍属と政府を提訴
横須賀 傷害致死事件で遺族
横浜地裁
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米海軍横須賀基地所属の米軍属が起こした傷害致死事件(二〇〇六年十一月)で遺族が二十八日、米軍属と日本政府に損害賠償を求め、横浜地裁に提訴しました。提訴したのは、死亡した中川勝美さん=当時(70)=の妹の近藤好美さん(70)。
事件を起こした軍属はロバート・バーンズ・ノーラン被告で、基地正門向かいのバーの共同出資者。訴状などによれば、自身も飲酒し、客として来ていた中川さんが大声で騒いでいたとして、店の前に突き倒し、後頭部を強打しました。そのまま放置したため、中川さんは五日後、頭蓋(ずがい)骨折および脳挫傷で亡くなりました。同被告は当時、在日米海軍司令部統合人事部人事部長の要職にありました。
記者会見で弁護団は、(1)酒が米兵犯罪の原因になっているなかで、米兵を管理監督する人事部長が米兵に酒を飲ませる店を経営している問題(2)〇六年に山崎正則さんの妻の強殺事件、タクシー運転手・田畑巌さんの事件など米兵犯罪が繰り返され、いっそう監督義務を問われるなかで起きている問題を指摘しました。
近藤さんは「兄は横須賀に生まれ横須賀を愛していた。被告からも米軍からも謝罪がない」とのべました。
「在日米軍による犯罪・事故の被害者の会」の山崎正則さんは、多発している米兵犯罪被害者の多くは泣き寝入りしているとのべ、米兵被害を掘り起こし、なくすために「米兵犯罪に泣き寝入りしない」アンケートはがき運動にとりくむと語りました。
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