2008年8月29日(金)「しんぶん赤旗」
政治・外交努力こそ重要
アフガン問題 志位委員長が強調
CS収録
日本共産党の志位和夫委員長は二十八日、CS放送・朝日ニュースター番組「各党はいま」の収録で、アフガニスタンで「ペシャワール会」の伊藤和也さんが武装勢力に殺害されたことについて、「心からの憤りを感じる」とのべるとともに、背景にある最悪の治安状況を打開するための政治的・外交的努力の重要性を強調しました。
志位氏は、「農業という現地の人たちが本当に望んでいる民生支援のため奮闘していた青年がこういう形でなくなるというのは本当に痛ましい」としたうえで、殺害の大きな背景として、「アフガンの治安情勢が最悪の事態になっている」問題を指摘しました。
テロにたいし、米軍などが報復戦争で対応し、これがアフガン住民の憎悪を生み出し、さらにテロが拡大する――。
こう強調した志位氏はアフガンで活動する百のNGO(非政府組織)の連絡調整機関、ACBARが一日に発表した声明を紹介。そこでは、民間人犠牲者の激増など、外国人への憎悪の広がりの状況を詳しく挙げたうえで、結論として、「われわれは紛争を軍事的手段によって終わらせることはできないとの強固な信念を強調する」とし、和平構築のためのイニシアチブ、持続可能な平和を達成するための一連の措置を求めています。
志位氏は、「現地で一番苦労されているNGOの皆さんの声明だけに非常に重い」とのべ、「テロに戦争で対応するやり方はゆきづまった。政治的・外交的な和平プロセスと、貧困や飢餓をなくしていく民生支援を組み合わせてとりくむことこそ必要だ」と強調。政府が延長を狙う自衛隊のインド洋での給油活動について、「米軍の武力行使を応援するただ一点で問題を考えるというのは、憲法に反するものであるとともに、現地が求めているものとはまったく違う」と厳しく批判しました。