2008年8月26日(火)「しんぶん赤旗」
中国遺棄毒ガス訴訟
兵器の回収を早く
原告の父が意見陳述
中国吉林省敦化市郊外で二〇〇四年七月、旧日本軍が終戦前後に遺棄した砲弾から漏れた毒ガス液で被害に遭った少年二人が原告となり、日本政府に損害賠償を求めている裁判の第二回口頭弁論が二十五日、東京地裁(石井忠雄裁判長)で開かれました。原告の父親が意見陳述し、医療費問題の解決と現存する毒ガス兵器の早期回収を求めました。
原告・劉浩君(12)の父、国義さん(38)は息子と友人の周童君(16)が川で遊んでいたときに起きた事故の状況や「毒ガスが伝染する」と吹聴され、学校でいじめに遭うなど二次被害にも苦しんでいる実態を訴えました。
事故後、体力や免疫力の低下、傷口のかゆみに悩まされています。国義さんは「息子の体は元通りになるのか、ほかの子どもたちと同じように育ってくれるのか非常に心配」だと、子どもの将来を案じました。日本政府に対し、医療費用の問題解決と中国に残された毒ガス兵器の無条件回収を求めました。
法廷後の記者会見で、周君は以前より風邪をひくようになり疲れやすくなったと話しました。一月に二―三回ひくという二人。劉君は風邪をひいたまま来日したといいます。