2008年8月24日(日)「しんぶん赤旗」
米経済環境 厳しい見方
FRB議長
【ワシントン=西村央】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は二十二日、ワイオミング州ジャクソンホールで講演しました。低信用層向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題に端を発した金融市場の大混乱について、「いまだに沈静化はしていない」との厳しい見方を示しました。
同議長は、金融市場の混乱が「幅広い経済分野に影響を及ぼし、景気低迷や失業率の増大となって現れている」と指摘。米経済の現状については、「記憶にある限り、もっとも厳しい環境である」と表現、深刻な状況から脱却していないとの認識を示しました。
消費者物価の上昇が5・6%と過去十七年で最高となっているなどインフレ圧力が強まっているもとで、「必要に応じた対策をとっていく」と表明。しかしインフレ圧力沈静化のための金利引き上げには触れませんでした。
同議長はまた、金融界の危機提言のための戦略として、金融構造の強化と、全般的な金融規制・監視の促進が必要だと指摘しました。